「助けて」が言えない
図書館で書架上にディスプレイされていて
タイトルに惹かれまして
手にとってみました
どちらかというと
自分が人に
助けて
と言えない性分なので・・
でも
内容は
私の助けてのレベルを超える
様々な苦しみから
助けてを言えない方々の事例と
支援対策が記されています
この著書の中で
私が一番印象に残ったことを
お伝えしようと思います
ネタバレになるので
もしご興味があって
読む予定の方はスルーしてくださいね
著者は
警察官・検察官・市区町村担当者・医師などに対する
性犯罪被害に関わる研修を行っているのですが
その研修でのロールプレイを
本の中で読者に試してみましょうと言います
まずは二人組になり
下記のように
ロールプレイがすすめられます
講師が言います
あなたの人生で最も幸せな初体験、つまり性交体験を思い出してください
誰と、いつ、どんなふうに、どんな手順で性交渉に至ったのか
当時の風景・聞こえた音楽・車のシートの色
また性交渉の前にはどんなお店で何を食べた等
思い出す限り詳細に思い出してください
思い出しましたか?
それでは
思い出したら
今度は
その体験を
さきほど組んだ
二人組の相手に
事細かに
かつ
できる限り具体的にお話してください
とさらりと講師が言う
研修会場では
いっきに緊張が走りざわめきが起き
みんな困惑し
怒りに近い感情さえ湧き上がります
そして講師から
「冗談です」
と声がかかると
みなさん
ほっと肩をなでおろす
一番幸せな性体験でさえ
他人に
それこそ友人にさえ言えませんよね
それを
性犯罪被害に合われた方は
人生で最もみじめで苦痛に満ちた性的な体験を
初めて会った人(警察官など)だけでなく
人と場所を変え
詳しく
何度も何度も話さなければならない
そして
時には現場で再現させられることもある
さらに
法廷では
見ず知らずの傍聴者の前で
繰り返し話さなければならない
性犯罪被害にあって
事情聴取等の際には
相当辛い体験をするということは
知識としては知っていましたが
こういうふうに具体的に説明されると
その苦痛で屈辱的体験を
自分に置き換えて考えられました
また
夜にはびこる
のせいで
きっとなにか悪いことをしたから
そのような罰が当たったのだ
と心の根底にある信念のようなものが
周りや本人にも働き
被害者に非があると考えがちになってしまう
例えば
女性の方に隙があったからとか
挑発する服装をしていたのではないかなど
そして
SOSを出さず
自分を責めて苦しんで
一生そんな自分を許せないまま
生きていかなければならない
私も
前夫が浮気をした時
一瞬
私が悪かったのではないか
という疑念が頭をよぎりました
でも
私は完璧な人間ではなし
前夫に対して
冷酷な部分もあったことでしょう
でも
それが
浮気をして不貞行為まで
していい理由には
絶対にならない
性犯罪被害者が
助けて
と救済を求める声を上げることができる
社会にするために
- 学童期から性犯罪に対して学ぶ機会を提供し、情報・知識を増やす
- 世間全体に性犯罪被害に関する適切な情報が周知され理解が高まること
- 支援にアクセスしやすい環境と社会的資源の充実を図ること
を挙げています
子供の時に
泥棒や変な人がいたら
お母さんやおまわりさんに言うのよ
と言われていますが
性的な被害にあった時にどうするかも
しっかりと教育をしていくべきかなと思いました
自分自身
もし強姦などにあった場合
自ら命を断つだろうと
若い頃からずっと
ほぼ確信していますので
内容的に考えさせられる一冊でした
性犯罪だけでなく
児童虐待や医療現場からの
支援についても書かれています
Kindleでは
読み放題になっていましたが
私も購読履歴からは
おそらく
ピックアップされないので
図書館でブラブラするのも
やはりいいものですね
それでは〜