人類はみな「生まれつきネガティブ」である。
鈴木祐さんの本
『無(最高の状態)』は
そんな一文から始まります。
読み進めていくうちに
そのネガティブな状態を
「最高の状態」へと昇華させる
様々な手法にどんどん引き込まれていきました。
離婚して、心がしんどかった時。
自分でも
もうどうしようもない感情に
飲み込まれそうになった時期が
長くありました。
この本は
そんな私自身を
客観的に見つめる視点
で支えてくれた1冊です。
「自分ごと」にしすぎて、苦しい
この本の中で、印象に残ったフレーズがあります。
苦しみをこじらせる人は、すべてを「自分ごと」に捉える
……心当たり、ありすぎる〜。
過去の出来事を
何度も思い出しては
「私ってダメだな」って自分を責めたり。
この「自分ごと病」
なかなかしつこい!んです。
「観察する」ことで、ちょっと距離をとる
この本で紹介されていたのが
観察のトレーニングという方法。
体の不調や
内面のざわざわを
あえて放置して、ただ静かに見つめ続ける。
自分の脳内や体の変化を
ちょっと遠くから眺めてみるような感覚。
そして
それを助けてくれるのが
「超越性」
というキーワードでした。
自分を切り捨てる“何か”に心を委ねる
この本では「超越性」を
自分の理解を超えた素晴らしい物事に接すること
と述べています。
たとえば
大自然の中で震えるような感動に包まれたり
名画を前にして言葉を失ったり。
そんな瞬間
普段気にしていた「自分ごと」は消え去り
「私」という存在から
一時的に自由になれる。
私にとってのそれは
バイクで風を切って走るとき。
雪山でスキーをしているとき。
本の世界にどっぷり入り込んでいるとき。
妹の場合は
アートの素晴らしさに息を呑む瞬間。
人それぞれ
その「超越性」に出会えるポイントって
違うけれど
「自分を忘れられる時間」って
いつも心の中で責めてくる声が
不思議と静かになってくれる。
日常にも、超越性のヒントは転がってる
カリフォルニア大学の調査で
学生たちに
「ユーカリの木を眺めて、心が動いたポイントを探してみて」
と指示したところ
なんと、ユーカリを見たあとの彼らは
他人への親切度がアップしていたそうです。
たかが木、されど木!
特別な旅や
高価な体験じゃなくても
自分の捉え方ひとつで
自己の内側が変わることって
あるんですね。
実際に私もやってみた
バイクで走っていた時のこと。
「今日のツーリング、心が動くポイントを探してみよう」
って思いながら走ってみました。
その日は
新緑の緑に光が反射して
もうキラキラまぶしい!!
くらい、きれいで。
「うわぁ〜、この色、今しか!!見られないよね」
ってひとりごとで分析。
その気持ちを
ちゃんと言葉にしてみたら
なんだか自然と笑顔になっていて。
そして、こんなことも思いました。
-
高速道路があるから、こんなに遠くまで来られた
-
ガソリンを海外から運んでくれる人がいる
-
このレブルちゃん(バイク)を作ってくれた人がいるから、私は楽しめている
いつもなら「渋滞が〜」「暑い〜寒い〜」
なんて文句言ってたのに
その日は自然と「ありがとう!!」
がたくさん出てきた。
さらに
バイクを始めたきっかけをくれたのは
実は前夫だったんですが
「あの人にも……まあ、感謝だな」
って思えたんですよね。
ちょっとした意識の変化で
気持ちってこんなにも
穏やかになるんだなって思いました。
素敵ポイント探し
苦しい時って
自分の中に閉じこもると
どんどんネガティブループにハマっていく。
自分をなんとかしよう
と、がんばるよりも
いったん自分を離れてみる。
その感覚が
少しずつ自分を楽にしてくれました。
「自分を忘れるほど夢中になれること」
に出会うと
自分という枠を超えて
思いがけない優しさや穏やかさが
ふわりと
自分に舞い降りてくることがあるみたい。
今日も
お散歩で
素敵ポイント探してみまーす。
それでは〜。