スポーツ選手の本を読むのも好きで
今回は
落合博満・元中日監督について書かれた本
鈴木忠平氏の著書
嫌われた監督
落合博満は中日をどう変えたのか
を読みました
あまり野球のことは
分からない私が読んでも
本当に面白くて
冷徹・オレ流
と言われた落合監督の
洞察力・人間的な魅力・揺るぎない信念に
何度も心を動かされました
本の構成は
1章ごとに
選手・コーチなど
ひとりの男をメインに書かれています
第1章 川崎憲次郎 スポットライト
第2章 森野将彦 奪うか、奪われるか
第3章 福留孝介 二つの涙
第4章 宇野勝 ロマンか勝利か
第5章 岡本真也 味方なき決断
第6章 中田宗男 時代の逆風
第7章 吉見一起 エースの条件
第8章 和田一浩 逃げ場のない地獄
第9章 小林正人 「2」というカード
第10章 井手峻 グランド外の戦い
第11章 トニ・ブランコ 真の渇望
第12章 荒木雅博 内面に生まれたもの
私でも覚えている
2007年
日本シリーズでの
球界大記録目前の
山井大介投手の交代劇についても
語られており
今まで表面的にしか知らなかったので
深く考えさせられました
私は失礼ながら
上記のリストの中で
知っている選手は
第1章の
川上憲次郎選手
だけです
それでも
読み進めていくうちに
ぐいぐい引き込まれて
過酷なプロ野球界で
翻弄され苦しみ
また栄光を掴む
男たちの試練や心の葛藤に
時に感動し、涙しました
今まで知らなかったのですが
落合監督は
高校時代は
学校や野球部になじめず
映画館に通い
大学でもまた
同じように溶け込めず中退
社会人になって
東芝府中の臨時工として
働きながら野球をしていた
社会の枠にどうしてもハマりきれずに
もがきつつ生きてきたんだ
その後
落合夫人と出会った
当時は
野球ができりゃそれでいい
という
欲のない人だったそう
そんな落合氏が
三冠王を獲る
ただ野球をやるだけでなく
世に名を残す
という
生きる意欲を持ちながら
野球への大きな夢を
夫人と二人で見る歩みが始まる
落合夫人というと
豪快に笑う明るい女性で
どちらかというと
落合氏と真逆のイメージですが
その相反する二人が故に
夫婦で補完し合い
共に戦うことができたのかな
そして
あれだけ批判されても
すべてを受け入れる
度量の大きい妻という
確固たる心の拠り所が
落合氏を支えたように感じました
落合氏の言葉で
俺は好き嫌いで選手を見ない
嫌われても使わざるを得ない選手になれ
球団のため、監督のため、そんなことのために野球をやるな
自分のために野球をやれ
勝負の責任は俺が取る
お前らは自分の仕事の責任を取れ
が印象的です
著書のサブタイトル
落合博満は中日をどう変えたのか
はまさに
全体最適をめざした
同調集団ではなく
個人個人が
自らを生かし
自分の価値を自分自身でつかみ取る
貪欲な自分へと成長させていった先に
輝かしい勝利があることを
感じとれる選手たちへと
変貌させたことだと思う
落合氏は
就任した最初の2004年シーズン
キャンプ初日に紅白戦を行うという
球界の非常識と言われた行動を起こした
それはなぜか?
選手を見極めるため
ふるいにかけるため
多くの世間の人・選手はそう考えた
退任する直前に
この紅白戦について
落合氏はこう言っています
紅白戦まで何をしていた?
ひとりで考えて練習しなかったか?
誰も教えてくれない時期に
どうやったらいきなり試合のできる身体を作れるのか?
今までで一番考えて練習しなかったか?
自分の生き残りをかけた危機感から
その紅白戦までの
選手の精神的プレッシャーは
計り知れないほどきつかったと思う
なにかの目標や願いに対して
自分で課題を見つけ
それに向かって
自分を一番最適化するために
孤独に考え続け立ち向かう
そんな気持ちを
私も持っていたいなと思いました
本のレビューは
ものすごく苦手なのですが
せっかく読んだ本ですから
簡単でいいので
感想などを残していくことをはじめました
今回は
最近の本の中で
特に私にはヒットした本でしたので
レビューを書いてみました
たくさんのブックレビューを
書かれている方って
本当に凄いな!と感じます
また
心に残った本がありましたら
自分語りで
レビューしてみたいと思います
それでは〜